1. 建築設計者は住宅も関わってくれる?
まだ、「住宅建築を建築設計者はやってくれないのではないか」と思っている方もいらっしゃるかと思います。
しかし、そんなことはありません。建築設計者は「建築は住宅に始まり住宅に終わる」と言っています。それほど住宅建築は奥が深く難しいのです。難しいだけにやりがいのある仕事でもあるのです。そもそも建築設計者は営業をあまりしません。一般消費者との関わりもいつもあるというわけではありません。でも建築設計者はいい仕事をしたくて、みなさんをまっています。
2. よい建築設計者とは
良い設計者ってどんな人でしょう。建築設計者は、これから住まい作りを進めようとしているあなたにとって、夢や希望を現実の形にしていくための大切なパートナーです。そのためには、あなたの家づくりへの思いを共有してくれる人を選ぶことが大切です。建築設計者は、単なるデザイナーではありません。良い建築設計者は、土地や建設場所、予算などの制約の中で、あなたの希望を聞きながら、最良の建物を設計します。
- 実際に話をしてみて、自分の意見をはっきり言う
- それでいて自分の意見を押し付けない
設計者を見つけることが大切です。まずは、その人の設計した住宅を見て自分のイメージと比較してみましょう。
3. 「建築ナビ」で設計者を選びましょう
自分に合った建築設計者を探すには多くの作品に出会うことが大切です。「建築ナビ」では、いろんな方法で建築設計者を探すことができます。
どのような家にしたいのか。イメージやこだわりをお持ちの方には、トップページにある「
事例・実例から探す」をおすすめします。ここでは「家を建てる、家を買う」を選択していただくと、和風住宅・和モダン、洋風住宅、エコ・省エネ住宅など−住宅のタイプ別に作品が出てきます。多くの作品を見て比較検討することができます。
また、展示場の中にある「
クローズアップ!」を選択していただくとテーマ別に、多くの作品を見ていただくことが出来ます。
是非ご活用ください。
4. 住宅の建築設計者の選び方
建築設計者を選ぶ場合、複数の建築設計者から設計報酬の見積もりを取って決める手法はおすすめできません。信頼できる建築設計者を建築しようとする方が自ら探すことが大切です。
実績を見る
前項で「建築ナビ」の活用を記しましたが、自分に合う建築設計者を探すには、多くの作品に接することが大切です。各事務所を訪問するのは、ある程度絞り込んでからでも遅くありません。「建築ナビ」でもそれ以外でも面白い作品に接したら建築主を訪ねて足で情報収集が必要です。自分の気に入った住宅が必ずあるはずです。
紹介などは重荷になる
建築設計者がかかわれる住宅の大半は、紹介です。良い仕事をしていれば紹介も多くなります。でも紹介の場合は、建築主も建築設計者もなかなかフランクになれないことが往々にしてあります。紹介者が気に入った住宅や建築設計者を、あなたも気に入るとは限りません。住宅建築は極めて個人的な感性の問題だからです。一番いいのは、あなたが「この人だ。この人の設計だ」と納得できる建築設計者を探すことです。「建築ナビ」では建築設計者が全く知らないところで、建築主が建築設計者を選ぶことが出来ます。建築設計者の個性や人柄、技能やセンスは必ず「つくられたもの」に現れます。評価はあなたがしてください。
5. 住まいづくり−その主役はあなたです
建築設計者の人となりや波長が合うと判断したら、よく打ち合せをし、細部まで納得することが大切です。つまり「信頼する」と言うことです。住まいをつくるには長い時間が必要です。建築中にはいろいろな情報が入り、迷ったり悩んだりすることがあると思います。でも信頼されれば、あなたのために一生懸命良いものを作ろうと、持っている技術をあなたのために使うのが建築設計者です。信頼が揺らいだら良い住宅を作ることは出来ません。そのためにもあなたが自分が理想とする住宅をきちんと整理し、十分な打ち合わせと納得が大切になります。納得するまで何回も打ち合わせや説明を受けましょう。専門家の手は借りても「人任せにしない」ことが大切です。
6. 建築設計者への報酬
費用の計算の仕方は別掲の通りですが、これはあくまで参考です。設計事務所で一番かかる費用は人件費です。手間をかければかけるほど費用がかさみます。そのための日額人件費や大体それぞれの業務に標準所要人・日数を掲載しています。参考にしてください。 特に注意しなければならないのは監理の分野です。監理は現場へ足を運ぶだけでなく、資材の確認や色決めの段取りなど現場以外でも時間を取られます。短絡的な判断は禁物です。
設計と工事監理の料金計算方法 (国土交通省告示15号の基準による設計料の算出方法)
建物の概要
敷地 |
整形・平坦な敷地 |
用途 |
詳細設計が必要な戸建住宅 |
延べ面積 |
150u |
構造 |
木造 |
階数 |
地上2階 |
構造 |
一般的な水準 |
設備 |
一般的な水準 |
標準業務量の算定
|
設計 |
工事監理等 |
総合 |
490 |
240 |
構造 |
97 |
48 |
設備 |
130 |
49 |
小計 |
717 |
337 |
合計 |
1054 |
床面積の合計 |
100u |
150u |
200u |
300u |
設計 |
総合 |
350 |
490 |
610 |
850 |
構造 |
81 |
97 |
110 |
130 |
設備 |
110 |
130 |
140 |
150 |
工事監理等 |
総合 |
180 |
240 |
290 |
390 |
構造 |
30 |
48 |
66 |
100 |
設備 |
38 |
49 |
59 |
77 |
業務報酬の算定

(業務経費)
直接人件費
設計等の業務に直接従事する者のそれぞれについての当該業務に関して必要な給与・諸手当・賞与・退職給与・法定保険料等の人件費の1日当りの額に当該業務に従事する延べ日数を掛けた額
特別経費
出張旅費、特許使用料その他の建築主の特別な依頼に基づいて必要となる費用の合計
直接経費
印刷製本費、複写費、交通費など設計等の業務に直接必要な費用のうち特別経費を除いたもの
間接経費
事務所を管理運営していくために必要な費用(人件費、研究調査費、研修費、減価償却費、通信費、消耗品費等)のうち当該業務に必要となる費用の合計
(技術料等経費)
設計等の業務で発揮される技術力、創造力等の対価として支払われる費用
住宅建築における標準業務所要人・日数表
1. 詳細設計と構造計算を必要とする戸建住宅
床面積の合計 |
100u |
150u |
200u |
300u |
設計 |
総合 |
710 |
760 |
800 |
860 |
構造 |
140 |
180 |
220 |
290 |
設備 |
110 |
130 |
140 |
150 |
工事監理等 |
総合 |
180 |
240 |
290 |
390 |
構造 |
30 |
48 |
66 |
100 |
設備 |
38 |
49 |
59 |
77 |
2. 詳細設計を必要とする戸建住宅
床面積の合計 |
100u |
150u |
200u |
300u |
設計 |
総合 |
350 |
490 |
610 |
850 |
構造 |
81 |
97 |
110 |
130 |
設備 |
110 |
130 |
140 |
150 |
工事監理等 |
総合 |
180 |
240 |
290 |
390 |
構造 |
30 |
48 |
66 |
100 |
設備 |
38 |
49 |
59 |
77 |
3. その他の戸建住宅
床面積の合計 |
100u |
150u |
200u |
300u |
設計 |
270 |
360 |
430 |
570 |
工事監理等 |
120 |
170 |
210 |
290 |