最近都心ではリフォームも設計者とインテリアコーディネーター(以下ICと略します)の協力で進めている事例が多いようです。
リフォーム動機を見てみますと、原状回復型からグレードアップ型へ、そしてセンスアップ型へと移っています。住まいの役割は、@身体の憩いA心の安定B思考を高めるC不満を和らげるD生活維持E個性の表現−です。
私たちは新しい生活を想像するに当たって、自分がどのような生き方・生活をするのでしょうか。自分の生活感覚を自分で演出し、自己表現する必要があります。
人生の75%、1日の85%は室内で過ごします。人の行動に影響を与えるものは、@生活習慣・行動様式50%A環境因子20%B遺伝20%Cその他10%−です。
東京都教育医学研究会の調査によると、ひとりたりの広さが3.4帖(じょう)以下の場合、他と比較して記憶能力や推理能力が減退しやすく、腰痛は2倍、胃腸障害は6倍以上も増加し、子供の身長差は3cm低めで、労力も劣っているなどの報告があります。
また、学習能力と色彩の関係につていて、最近の研究によると、子供たちに評判の良い色は、明るいブルー・黄緑・オレンジなどで、このような配色環境では知能指数(IQ)が上昇しましたが、反対に白・黒・茶という色ではIQを低下させたという結果があります。
生活を向上させる住まい。住まいは人間形成の場。心の充実感を求めます。自分流の感性・時・夢・思い出をもとに、また、仕上げ材の色や質感で安心感は違ってきます。私たちは視覚と感触で知らず知らずに感じ取っています。身体は色にも敏感に反応しており、人間は単調さを嫌う知覚特性を持っています。TPO(時と場所と場合の意)により、一人で異なる生活感覚をエンジョイしていきたいものです。
コミュニケーションのしやすさ、掃除のしやすさが家具配置によって決まります。@最短距離の動線の確保Aできるだけまとめて置くB視線を広い方に向けるC光を遮らない−がポイントとなります。
考え方として、東洋哲学思考3原則が良い参考になると思います。@ものを長期的に見なくてはいけませんA多面的・総合的に見なくてはなりませんB枝葉末節にこだわっては駄目、本質を見なければいけません−の三つです。
最後に、皆さまから依頼をいただく我々プロ側も、仕事のカンどころとして、@良い仕事の方法を知っているAその方法に熟練しているBその知識・技術・方法をグッドタイミングで使える事−を、常に念頭に置かねばならないのだと思います。