和とか洋とかでくくれない本格的日本の家のデザインを追求し、木造在来軸組工法、国産材、自然素材にこだわります。

株式会社若山建築事務所

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住まいづくりの実践I「用の美」

2005年04月01日
住まいの形態は、その土地の気候風土を抜きにしては考えられない。長い年月をかけ、その立地条件の中で形成された姿、形を無視して、住まいの形態を考えてはならない。風水も家相も先人たちの知恵の集積だと理解すると、決して軽々しく無視できなくなる。

 時代が変わり文明が進んだ結果、すでに解決された事柄もあるので盲信は慎むべきだが、現在に至るその訳を知ることは重要なことである。今回は、住まいの形態について考えたい。

 家は夏を旨とすべし、という。温暖多湿な日本での住まいづくりのポイントをうまく言い当てている。日本には四季があり、春、夏、秋の気候は素晴らしく、また、夏の猛暑を乗り切るために、家は風通しよく外に開かれていた。居ながらにして自然と一体になり、自然に抱かれた生活ができるようにつくられていた。

 縄文時代に竪穴を掘り、近くの雑木を切り屋根をかけて住むようになってから今日まで、数千年の長い歴史の中で、この国の人たちが暮らしの中でつくり上げてきた住まいの形態がある。いわゆる日本家屋といわれる家の形態である。

 木造は古くさいと言われ、おしゃれで近代的なデザインができにくいとされ、住宅業界のなかでプレハブメーカーに押され続け、次第に肩身の狭い存在になった。それにつれ、日本家屋といわれる家の形態もないがしろにされてきた。

 夏の日差しをさえぎり、冬の日光を奥深く招き入れる。うっとうしい雨の日も窓を開け放ち、ひんやりとした風を家の中に運ぶ。開放感あふれる掃き出し窓から自然が自在に出入りし、通り抜ける風の心地よさは何ものにも代えがたい。

 日本家屋の持つ深く低いフォルムと陰影の濃いシルエットは、この気候風土にみごとに適合した機能を持っている。それゆえ、日本家屋の伝統的形態を無視して家づくりをすると、長い目で見て住みづらい家になってしまう。

 現在では、冬の寒さを我慢することなく、気密断熱性の高い大きなガラスの開口によって、暖かく明るい広々とした室内空間をつくり出せるようになった。

 「用の美」という言葉がある。「形態は機能に追従する」という言葉がある。前者は日本の民芸運動から出た言葉であり、後者はドイツのバウハウス的美意識から出た言葉である。実用に耐えうるものに必然的に宿る美しさ。長い間使わ続けたものがたどりついたひとつの形。機能を追求した先にある洗練の姿。この美の定義は日本家屋にも当てはまる。

 日本的家屋の形態は、まさにこの用の美であり、機能と美の同居の姿である。古くさいままデザインを磨くことなく、若い人たちに振り向かれなくなってしまったかのように言われる日本的家屋は、実は素晴らしい美の要素を持っている。

 私たちは、和風、洋風といった言葉で建物を区別しない。明冶大正に建てられた洋館建築も、実に立派な日本建築である。このような立場で、和とか洋でくくれない日本の美を追求しているのが「雨楽な家」である。

 兵庫県佐用で雨楽な家の平屋を数奇屋風にアレンジして建築した。日本の数寄屋建築の大家の建物をよく知る、歯科医のお施主様は「今まで見たことのない建物だけど、これはまさしく数寄屋だ」と喜んでくださっている。

 広島に完成した「雨楽な家・笑」のモデルハウスは、まさに和とか洋でくくれない日本の家の洗練された姿を見せ、老若男女を問わず、道行く多くの人々を振り向かせている。

 美しい日本の家をつくる。日本の素晴らしい美意識と自然観、歴史と伝統をふまえた上での家づくりを、普通の人が普通に住める建物としてつくり続けること。雨楽な家の新しいデザインバリエーションが展開されつつある。

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