和とか洋とかでくくれない本格的日本の家のデザインを追求し、木造在来軸組工法、国産材、自然素材にこだわります。

株式会社若山建築事務所

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住まいづくりの実践L「土の良さを知る」

2005年06月22日
土をふんだんに使った家が岐阜にできた。今では特別な仕事になってしまったかのような土壁の家だが、まだまだ当たり前のように施工できる職人さんが全国にはたくさん存在する。
 新建材に押され、新しい簡易な工法で壁がつくられるようになり、土壁は過去のものとして葬り去られたかのように見えるが、どうしてどうして、その技術はまだまだ保たれ、決して滅んではいない。
 辛抱してやりつづけることが大切だ。一度やめたら再びやろうとしてもなかなか難しい。今後その価値が大いに見直される時が必ずやってくる。

 土壁の家をつくってみて、改めてその素晴らしい室内環境に驚く。
 70坪もある吹き抜けの総2階のその家が、この冬、広い土間に置いた1台の薪ストーブだけで、他の暖房器具の助けをいっさい借りずに暖かく過ごせたなんて言っても、にわかには信じられないと思う。
 実はその家は、壁を土で施工しただけでなく、20帖もある広い土間を、暑さ12cmもの本物のタタキで施工し、また、その総2階の建物の頭上を覆う大きな屋根には、大量の土が「現代土葺き」という手法で施工されているのだ。総重量約15tもの土が、その家には使われた。

 土の断熱効果は、その施工状況や土の種類などによってばらつきがあり、なかなか数値では表現しにくいが、誰もが経験上認めるところだ。
 おまけに土は単なる断熱材ではない。土はたいへん大きな蓄熱効果があり、きわめて優秀な防音材でもある。また、絶大な調湿作用もあり、再利用もでき、水を加えて練るだけで施工できるのだから、きわめて安全で施工性もよい。近頃では、化学物質や有害物質などの吸着作用も注目されている。

 以前、奈良の古民家を訪れたときに、その天井裏に上がってみて驚いた。奥座敷の天井は厚板が張られ、なんとその上に、10p以上もの土が載せられていたのだ。きわめてぜいたくで上質な空間がそこにあった。しっとりとした空気と、しんと静まりかえった落ちついた空間は、まさに土によってつくりだされていた。

 阪神大震災の後、土で瓦を葺くことは一時とだえたかのように見えたが、屋根は土葺きでなくてはならないという人たちが頑として存在し、土葺きはやめようにもやめられないという。

 木と漆喰と紙で「雨楽な家」はつくられ、せめて土間にはその敷地の土を入れて施工しよう、という家づくりの方向を示してきたが、これからもっともっと家づくりの現場に土が見直され、使われるようになっていくだろう。
 人が生まれた時にすでにかたわらにあったもので家をつくる、という考えは、ますます確たるものになっていく。

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